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大学の語源(その52)、森友学園決裁文書「改竄(カイザン)」の語源は「穴の中の鼠(ねずみ)がこそこそと書き換える」!
 
 平成30年3月13日づけの「朝日朝刊」は、

 一面の「横組み、黒ベタ白抜き大見出し」に、「財務省 公文書改ざん」

 「縦組み、第一見出し」に、「森友「特例」経緯 削除」と掲げていた。

 ただ、12日のテレビの報道は、ほとんど「決済文書の書き換え」と報じていた。

 財務省が12日「森友学園への国有地払い下げに関する決済文書の書き換え」を
 認める報告書を国会に提出したため、そのまま「書き換え」としたようである。

 では、「書き換え」=「改竄(カイザン)」なのか?

 それとも、「書き換え」≠「改竄(カイザン)」なのだろうか?

 昭和30年の第一版第一刷を発行した『広辞苑』では、「改竄(カイザン)」は、

 「(「竄」は改めかえる意)字句などを改めなおすこと」

 となっていて、「改竄(カイザン)」の「改(カイ)」も「竄(ザン)」も
 同じ意味で、「改めなおす」と定義されている。

 つまり、『広辞苑』(第一版)には「悪い方向に改める」という意味はない!

 この解釈は『漢語林』(大修館書店・昭和62年発行)などの

 漢和辞典にも踏襲されていて、

 「改竄(カイザン):文字・語句を改めなおすこと。竄は、改め変える意」

 となっている。

 ところが、『日本語大辞典』(講談社・平成2年第一刷)では、

 「悪用しようとして、書類や証書の文字を直すこと」

 と、明らかに「悪い方向に改める」と変更されている。これは、

 小学生から一般人まで広く使われる『新明解国語辞典』(三省堂・同上)の

 「〔「竄」は、文字を改める意〕そこに書いてある文字を、自分に都合の
  いいように書き直すこと。「小切手の改竄」」

 という定義もまた、ほぼ同じ悪い方向への解釈と考えていいようだ。

 つまり、昭和時代の「改竄(カイザン」は「単なる字句の書き換え」という
 意味であったが、

 平成に入ってから、「悪い方向への書き換え」と変化したのである。

 どうしてなのだろうか?

 「改(カイ)」には「改革・改新・改良・改善」という熟語をつくる
 ように、「あらためて、新しくする」という原義があり、別に悪い意味はなく、

 「竄(ザン)」という字と熟語を成すことにより、

 「穴の中の鼠(ねずみ)が(こそこそと=ひそかに)書き換える」

 という意味になるのである。

 「鼠(ねずみ)」には悪い意味はないが、「こそこそと=ひそかに」に

 書き換えることが大きな問題として見なされるようになったのだ!

 『広辞苑』の第二版以降の意味の変化を調べてみる必要があるが、

 昭和のあるころから「小切手の書き換え」、「領収証の書き換え」などの

 「公文書偽造」が横行し始め、

 その時代背景の変化に合わせて、

 「改竄(カイザン」の意味が変化して行ったような気がしてならない!

 そして今日、大学や研究所においても、「他人の論文の剽窃」があったり、

 「実験データの改竄」が頻発するようになると、

 同時に、「役所内の決裁文書などの公文書の書き換え」も

 「こっそりと、ひそかに」行われるようになったということなのである。

 「他山の石」、財務省ばかりでないかもしれない・・・

 

 
 

 
author:ぷるの飼い主, category:U‐University(大学の語源事典), 12:27
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